拡散接合とエッチング加工を組み合わせる

金属と金属を接合する方法として一般的には溶融させる方法や接着剤を用いる方法がありますが、それとは別に拡散接合という方法もあります。拡散接合は同種または異種の金属どおしの接合、またセラミックスと金属の接合にも用いられます。
材料である金属を溶融させないで行う接合の方法全般を「固相接合」と言い、拡散接合は、その一種に分類されます。
拡散接合はJISの規格でも定義がなされています。その要点は、

・材料を密着させ、
・材料が溶融しない温度条件の下で、
・できるだけ塑性変形が起きない程度に加圧し、
・接合面で起きる原子の拡散という現象を用いて、
接合するというものです。
拡散接合では、溶融させないで行うため変形が少ないことや、接着剤を使う場合のようなガスの発生などが無いという長所があります。またスポット溶接と異なり隙間ができないのもメリットです。

拡散接合や熱圧着の利用法の1つに、薄板を重ねて接合し厚みのある製品を作る例があります。
例えば、エッチング加工で多数の薄板に同時に精度の高い加工を施し、それを接合することができます。
この場合のメリットとして

・強度が高く、また寸法の変化が少ない
・ガスの発生がない。
・清浄で洗浄の負担がない
・複雑な形状の穴や、流路構造に仕上げることもできる
・大量生産できるのでコストカットになる
などが考えられます。

この製造方法の用途としては電子機器部品、各種フィルター、燃料電池関連部品をはじめ様々な製品があります。